自然の中に生きているということが実感できるような住まいを目指しています

井戸 健治(イド ケンジ)

1972年和歌山県生まれ。95年神戸大学工学部環境計画学科卒業、97年神戸大学大学院修士課程修了、1997~2003年 建築設計事務所勤務、03年井戸健治建築研究所(一級建築士事務所)開設、14年摂南大学理工学部建築学科非常勤講師、13年5月LEAF(ヨーロッパ主要建築家フォーラム)主催 エミレーツガラス・リーフ賞 2013(イギリス)個人住宅部門 Shortlist 受賞「玉津の住宅」、13年7月ドイツデザイン協議会主催 アイコニック賞 2013(ドイツ)個人住宅部門受賞「玉津の住宅」、13年10月LEAF(ヨーロッパ主要建築家フォーラム)主催 リーフ・インテリア・デザイン賞 2013(ドイツ)個人住宅部門 最優秀賞受賞、 ロンドン国際クリエイティブ・コンペティション 2013(イギリス) Honorable Mention 受賞「House F」、ロンドン国際クリエイティブ・コンペティション 2013(イギリス)Shortlist 受賞「玉津の住宅」、13年11月スパーク賞2013(アメリカ)空間部門 金賞受賞「玉津の住宅」、UIA(国際建築家連合)公認 第1回バク国際建築コンペティション(アゼルバイジャン)カテゴリーB(完成した住宅建築部門)2等賞受賞「玉津の住宅」、13年12月 第3回It’s LIQUID国際コンテスト(イタリア) 受賞「玉津の住宅」「House F」、13年12月第3回It’s LIQUID国際コンテスト(イタリア) 受賞「玉津の住宅」「House F」、14年3月香港デザイナー協会主催 HKDAグローバル・デザイン賞(香港)住宅部門銀賞受賞「玉津の住宅」、4月 A’ Design Award and Competition(イタリア) A’ 建築・建物・構造デザイン賞2013 – 2014期 銀賞受賞「玉津の住宅」、6月ARCASIA(アジア建築家評議会)主催 アジア建築賞(新人部門)(マレーシア)Finalist 受賞「House F」、ARCASIA(アジア建築家評議会)主催 アジア建築賞(新人部門)(マレーシア)Finalist 受賞「玉津の住宅」、第3回ネクスト・ランドマーク国際コンテスト(イタリア) Finalist 受賞「House F」、第3回ネクスト・ランドマーク国際コンテスト(イタリア) Finalist 受賞「玉津の住宅」、7月iDA国際デザイン賞 2013(アメリカ)建築 新築 住宅部門2等賞受賞 Honorable Mention 受賞「玉津の住宅」、8月シカゴ・アテネウム・建築とデザインミュージアム主催 国際建築賞2014(アメリカ)受賞「玉津の住宅」。趣味は読書。(川上未映子、永井均、鷲田清一、内田樹、中島義道、佐藤雅彦、野矢茂樹、外山滋比古、河合隼雄)、美術家や建築家の洋書を翻訳すること、美術館やギャラリー巡り。

自然の中に生きているということが実感できるような住まいを目指しています。建築によって、普段気にも留めない光の美しさ、移ろいに気付く時があります。
建築は光、構成、素材によって感覚を誘発します。また「当たり前」と思っていることを再考することによって、新たな空間の豊かさ、感覚の新鮮さ、静謐さを目指しています。
影響を受けた建築家は、Rem Koolhaas, Peter Zumthor, Peter Eisenman, Aires Mateus
影響を受けた美術家は、Richard Serra, Donald Judd, Robert Smithson, Gordon Matta-Clark

これから作っていく建築や空間の参考イメージとして、Pinterestで海外の建築や空間のイメージを収集しています。参考にしていただければ幸いです。
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ザウスで設計を手がけた施工例

設計例

「玉津の住宅/house in Tamatsu」

この住宅は、夫婦と2人の子供のために設計しました。敷地は大阪市の市街地で、面積わずか43.21平米(13坪)の狭小地です。敷地周辺は、小住宅や町工場や小さな事務所ビルが調和なく共存している地域です。
この敷地に以前に建っていた建て主の住宅は木造2階建てで、近隣も密集しており、住宅の中に光が入らない状況でした。建主は、柱や耐力壁のない、できるだけ広いリビング・ダイニング・キッチンを要望し、住宅の中はもちろん、とくに家族が集まるリビング・ダイニング・キッチンに自然光が入ることを望みました。

まず、敷地面積が狭いことから、建物のヴォリュームは可能な限り敷地いっぱいとりました。建て主の生活スタイルから1階には夫婦の寝室と水周りを、2階にはリビング・ダイニング・キッチンを、3階には子供部屋、そして屋上にはルーフテラスを配しました。

構造上、2階の道路側には大きな窓は開けられません。そこで、3階のヴォリュームを建物の軸に対して14°振り、建物の外壁との間にできる隙間を吹抜けとしました。その吹抜けの上部にトップライトを設け、2階のリビング・ダイニング・キッチンに自然光を落とすことにしました。
また3階の平面上14°振った2つの壁の内一方は、垂直に対しても傾かせ、階段と重なる部分は折り返され、折り紙やファセット(彫面)の様になっています。この傾いた壁は、「当たり前さ」からの逸脱により人の感覚を自由にすると同時に、その傾きの触覚や反射する光は新しい身体の感覚を誘発します。
建物は近隣宅とは完全に異なった白い箱です。その建物に14°振った3階の筒状のヴォリュームが貫通したような外観になっています。 吹抜けには片持ちの箱形階段が浮かんでいます。

「玉津の住宅/house in Tamatsu」

「玉津の住宅/house in Tamatsu」

「玉津の住宅/house in Tamatsu」

「玉津の住宅/house in Tamatsu」

「玉津の住宅/house in Tamatsu」

「House F」
この住宅は、夫婦のために設計された市街地の狭小地に建つ木造住宅です。敷地周辺は、小住宅や、町工場や、小さな事務所ビルが調和なく共存している地域です。

敷地の南側には3階建ての工場があり、北側は前面道路があり開けています。建て主は南側に庭を要望されたので、必要な部屋を確保するため、3階建てにすることにしました。

室内は木と塗装の壁による静かで柔らかな空間を目指しました。明るく開放性のある空間を確保したうえで、密度のある空間とメリハリをつけました。風圧を受けている吹抜けの梁とキッチンのカウンターを同じ材で制作し、要素を統一して梁やカウンターの持つ「意味」を曖昧にしました。
時間の経過とともに光や陰影の移り変わりが感じられる「余白」を目指しました。また建て主のエコロジーへの配慮から、屋根にはソーラー発電パネルを設置しています。

「House F」

「House F」

「House F」

「House F」

「House K 改築」
既存の鉄筋コンクリート造2階建ての住宅を構造体のみ残し、鉄骨造で3階を増築。
奥さんが車椅子の生活をおくっているため、通院時などの移動を容易にするためスロープを設置し、室内用車椅子の乗換え用玄関を設け、さらに主なリビング、ダイニング、キッチン、風呂・洗面は1階に計画しました。

以前は生活の中心が1階にあるにもかかわらず、道路側以外大きな開口がとれない状況でした。そこで、新たに1階から3階まで3層の吹抜けを設け、1階まで光を導くようにしました。リビング上部に3層の吹抜けがあることから、暖房は床暖房を採用しました。

2階にはピアノ・スペースを設け、ピアノの音色が吹抜けを通して各階に聞こえるようにしました。この吹抜け空間は「廊下」とも「部屋」とも違う「曖昧な空間」です。この「曖昧な空間」は生活にゆったりとした雰囲気を与えます。
また敷地北側が緩やかな傾斜になっており見通しがよいので3階にサンルームとテラスデッキを設けました。

「House K 改築」

「House K 改築」

「House K 改築」

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