, 2004.6.8 ━ [ Z A U S ] ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ このメールマガジンは、『理想の住まいづくり』実現に役立つ知識や情報 が満載のマガジンです。 ----------・---------- こんにちは、ザウスの伊東です。 先日、とっても楽しいご相談を受けたんです。 「田舎から古民家を移築して、概観はそのままに、でも、内装は最新設備 にしたい!」 じつはこの方、故郷を離れなければならないけど、実家を取り壊すのは、 あまりにも忍びないので、そっくり実家ごと移築したいとのご希望だった んです。 ご相談を受けたとき、思わず、うれしくなっちゃいました。 家の古さは、そこに暮らした人々の歴史そのものですから、人の移動とい っしょに家も持ってくるなんて、大胆で、すてきですよね。 もっとも、移築費用がそれなりにかかるので、思案中とのことですが...。 みなさんの「理想の住まい」も、やっぱり"こだわり"がいっぱいなんで しょうね。 では、今週のザウス・マガジンのはじまりです! ――――――――――――――――――――――――――――――――――― ◆━━━━━━━...‥・・◇ <住まいの流行がすぐ分かる> 住・ま・い・の・話・題 ◆━━━━━━━...‥・・◇ ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ ◇◆◇ 針葉樹が「軟(やわ)らかい」って!? ◇◆◇ ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 今週からは、住まいを作るための『木材』について、何度かに分けてお話 をさせていただきますね。 みなさんは、木材に硬(かた)い、軟(やわ)らかいがあるのをご存知ですか。 「そう言えば、"クリ"が硬くて、"スギ"が軟らかいって聞いたことが あるけど...。」 ピンポーン!正解です。 そう、木材は「軟材(なんざい)」と「硬材(こうざい)」の2つに大きく分 けることができるんです。 さて、今週のテーマとして取り上げるのは『軟材』です。 ----------・---------- 『軟材』...読んで字のごとく「柔らかい木材」ですね。 「軟材」と呼ばれる木は「針葉樹」の木材で、代表格としては、マツ・ヒ ノキ・スギなどのなじみ深い木があげられます。これらは、柱や梁(はり) をはじめ、住まいの主要な部分でよく見られますよね。 では、なぜ針葉樹の木材が「軟材」と呼ばれるのでしょうか。 広葉樹は、木の本体を構成している繊維とは別に、水分だけを通す「導管 (どうかん)」と呼ばれる細胞が存在しています。 ところが、針葉樹には「導管」がありません。つまり、針葉樹には、質の 違う組織が少なく、木質がほぼ均一化されているのです。 この、木質の均一化が、「軟らかさ」と「軽さ」の要因なのです。 ----------・---------- 「軟材」は、柱や梁など、住まいの主要な部分に使われているとご紹介し ましたが、これら住まいの「骨格」ともいえる部分に使うなら、「硬材」 の方が強く、柱や梁に向いているような気がしませんか? じつは、鉄やコンクリートなど、一般的に「硬い」とされる物質と木材を 「同じ重さ」で比較してみると、木材の方が強度は大きいのです。さらに、 木材の方が弾力性も高いため、住宅などの構造材として優れています。 「硬さ」で鉄やコンクリートと木材を比べてみましたが、次に「強度と弾 力性」という点で「硬材」と「軟材」を比べてみます。 単純に「強度」を比較してみますと、「硬材」の方が強度は高くなります。 それは冒頭でご紹介した通り、木質の影響が表れているからです。 ところが、柱や梁について考えてみると、切り倒した木をそのまま用いる ようなことはありませんね。当然ながら、柱や梁にするために「加工」が 必要になります。切る、曲げる、穴を開ける...など、加工をするなら、軟 らかい「軟材」が有利です。 さらに、木そのものの重量を考えてみると、軟材の方が軽いのです。柱や 梁は、できるだけ軽くて丈夫であることが求められますので、重量の面で 見ても、軟材の方が柱や梁に向いていると言えるのです。 つまり軟材は、柱や梁といった構造材に求められる「強度」「弾力性」 「加工のしやすさ」「軽さ」といった重要な要素をバランス良く備えてい るのです。 ----------・---------- ところで、四季があり、夏は「高温多湿」な日本では、「呼吸する住まい」 が理想的ですよね。 軟材(特にスギやヒノキ)は、まさに「呼吸する木材」で、多湿のときは湿 気を吸収し、乾燥しているときには湿気を吐き出すという、非常に優れた 機能をも備えており、健康に配慮した材料として再注目されているのです。 いかがでしたか。マツ・スギ・ヒノキに代表される「軟材」の特長を、お 分かりいただけましたでしょうか? 軟材の持つ、優れた特長を生かした快適な住宅づくりについては、建築 家とご相談してください。 ――――――――――――――――――――――――――――――――――― /?/?/?/?/?/? <住まいの知識がすぐ分かる> /住/ま/い/の/雑/学/ ?/?/?/?/?/?/ ――――――――――――――――――――――――――――――――――― ◇◆◇ 屋根を作る ◇◆◇ ――――――――――――――――――――――――――――――――――― 前回の終わりに「瓦(かわら)」の事に少しふれましたね? 今日は、いよいよ瓦(昔でいう茅「かや」)で屋根を覆(おお)う作業に入り ます。 それではまず、屋根工事の基本的な流れを追ってみましょう。 ◇上棟式(じょうとうしき) 家を作るという作業は、太古の昔からさまざまな儀式を伴い行われてきま した。 『小屋組(こやぐみ:屋根の骨組み)』を作る際に使用した部材『棟木(むな ぎ:一番高い小屋束に設置する部材)』を上げるにあたり、大工の棟梁(と うりょう)などが神を祭り、新屋の安全を祈る儀式です。 ◇屋根を作る 上棟式が終わると、雨で濡れるのを防ぐ為に先に屋根から作っていきます。 では、前回のおさらいを兼ねて、屋根作りに必要な部材をあげていきまし ょう。 『小屋梁(こやばり)』:天井の一番上の梁(はり)の上に設置する太い部材。 『小屋束(こやづか)』:小屋梁の上に垂直に立てる部材。 『母屋(もや)』:小屋束の上に小屋梁と直交するように水平に乗せる部材。 『垂木(たるき)』:小屋組の母屋の上に直交させ、傾斜に添って取りつけ る。 『野地板(のじいた)』:『垂木』の上に屋根の下地となる板。 ───────── ---棟木(むなぎ) /? ? ? ? /──?─?─?─?── ---母屋(もや) 小屋束(こやづか)---│ │? ? ? ? 小屋梁(こやばり)--- ──────?─?─?─?─ 梁(はり)--- ─│────│─? ? ? ?---垂木(たるき) │ │ 柱---│ │ ──── │ ? ? 野地板(のじいた)--- ? ? ──── (※図がくずれて見えるときは、「MSゴシック」「Osaka-等幅」などの等 幅フォントにてご覧いただくときれいに表示されます。) 母屋に直交するように垂木を取り付け、その上に屋根の下地となる野地板 を貼ります。屋根は作業中でも雨に直接当たるので、しっかりとした防水 措置をとらなくてはいけません。防水シート等でしっかり対処します。 その上からいよいよ屋根を葺(ふ)く、つまり「屋根を覆う」作業に入りま す。 ----------・---------- ◇屋根の材料 防水シートを張った野地板の上に、屋根材の留め金具を取り付け下準備を しておきます。 ここで代表的な屋根材料をあげてみましょう。 『瓦』:粘土を一定の形に作り、瓦窯(かわらがま)で焼いたもの。主に屋 根を葺く材料とするが、床敷きにも用いられる。屋根瓦には、本瓦葺(ほん かわらぶ)き用と桟瓦葺(さんがわらぶ)き用とがあり、形状や使用場所によ って平瓦(ひらがわら)・丸瓦(まるがわら)・鬼瓦(おにがわら)・桟瓦・軒 瓦(のきがわら)などと呼ぶ。 『トタン』:いわゆるトタン屋根と呼ばれる。別名『亜鉛メッキ網板(こう はん)』といい 薄い鋼板に亜鉛メッキをして耐食性をもたせたもの。 上記の他に鉄板に樹脂を吹きつけた上に焼付けしたカラー鉄板、長尺鉄板 と呼ばれるものなどがあります。 ----------・---------- ◇変化する屋根 日本の住宅に最もなじみがあるのは瓦ですね。職人が一つ一つ丁寧に作る 重厚感のある瓦は、日本が誇る伝統の芸術と言っても過言ではありません。 しかし、現在では軽くて耐熱性にも優れた屋根材料が開発され、多くの住 宅に使用されています。それは建物にかかる荷重が少なくなり、地震など の災害対策に有効であるとされるからです。 伝統と最新技術の融合ができれば、軽量にも関わらず、趣(おもむ)きは伝 統的で重厚感がある...そんな瓦が生まれるはずです。 屋根の作り方、いかがでしたか?昔は茅(かや)を葺き、次に釜で瓦を焼き 重厚感のある屋根を作ったかと思えば、軽い屋根の開発により瓦を使う住 宅が減りつつある。材料の進化と共に、住宅も進化していきますね。 さらに詳しくお知りになられたい方は、お気軽にお問い合わせください。 https://www.zaus-co.com/website/form/index.php?id=mag026 ◆合わせて、人気の施工例ページをご覧ください。 ガレージハウスの施工例はこちらから 狭小住宅の施工例はこちらから 高級住宅の施工例はこちらから ――――――――――――――――――――――――――――――――――― <実践的な知識を身につけられる> 住┃ま┃い┃の┃適┃塾┃ ━┛━┛━┛━┛━┛━┛ ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ ◇◆◇ 関東版 ◇◆◇ ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ ――――――――――――――――――――――――――――――――― ◆ はじめての家づくり「資金計画講座」 <日曜日> ――――――――――――――――――――――――――――――――― 家づくりを検討し始め、夢が膨らんでいく中で、やはり気がかりなのは、 予算です。諸費用って?税金って?今回は、そんな家づくりに必要な費用 について、一からお教えいたします。家づくりスタートの「不安」を解消 いたしましょう! ◇6月20日(日)/第1回 10:30?12:00 ・第2回 14:00?15:30 https://www.zaus-co.com/website/z-tekijuku/e040620.php?id=mag026 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ ◇◆◇ 関西版 ◇◆◇ ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ ――――――――――――――――――――――――――――――――― ◆ 住まいづくり講座「設備・空間」編 <土曜日> ――――――――――――――――――――――――――――――――― 大きな窓や高い吹き抜けのある部屋。とても素敵なものですが、そこに 「建築家の計算」がなければ、日差しの入り方や冷暖房のランニングコス トなど、時としてマイナス面が気になってしまうこともあります。設備品 の紹介を交えて「建築家が提案する理由」について解説する講座です。 ◇6月12日(土)/14:00 ? (4組様限定) https://www.zaus-co.com/website/z-tekijuku/w040612.php?id=mag026 ---------------------------------------------------------------------- ――――――――――――――――――――――――――――――――― ◆ セカンドライフのすすめ <日曜日> ――――――――――――――――――――――――――――――――― 子供が生まれる前までの生活、生まれてから独立するまでの生活。ともに 時間を過ごしてきた夫婦にとって、今度は夫婦2人の暮らしを考える時期 になっています。郊外での住まいづくりを例に有意義な時間を過ごすため の空間づくりについて学んでいただく講座です。 ◇6月13日(日)/14:00 ? (4組様限定) https://www.zaus-co.com/website/z-tekijuku/w040613.php?id=mag026 ---------------------------------------------------------------------- ――――――――――――――――――――――――――――――――― ◆ 住まいづくり講座「素材」編 <火曜日> ――――――――――――――――――――――――――――――――― 建築家による提案にはひとつひとつに理由があります。断熱材や無垢フロ ーリング材などさまざまな材料の長所、短所にコスト面を交え「なぜそれ を選ぶのか」について建築家が分かりやすく解説する講座です。 (アフター5でははじめての講座です。) ◇6月15日(火)/17:00 ? (4組様限定) https://www.zaus-co.com/website/z-tekijuku/w040615.php?id=mag026 ---------------------------------------------------------------------- 「住まいの適塾」って何だっけ?と思われる方は、こちらをご覧ください。 他にも色々なテーマの適塾をご案内しております。 https://www.zaus-co.com/website/z-tekijuku/index.php?id=mag026 適塾のご希望、住まいのお問い合わせ・ご相談など、お気軽にお寄せくだ さい。 https://www.zaus-co.com/website/form/index.php?id=mag026 ――――――――――――――――――――――――――――――――――― /?/?/?/?/?/? <住まいの情報がすぐ分かる> │住│ま│い│の│情│報│ └─┴─┴─┴─┴─┴─┘ ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ ◇◆◇ 今週のおすすめ ◇◆◇ ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ ――――――――――――――――――――――――――――――――― ◆ 住まいの書籍---月刊 NewHOUSE (ニューハウス) 2004年7月号 ――――――――――――――――――――――――――――――――― 特集「住みたい家がみつかる本」 「エコロジー」「自然素材」「シンプル」「オール電化」をテーマにした 住宅の他、「心地いいLDK」「自然を感じるデッキのある家」をご紹介。 ほしい家のイメージづくりのために必須の一冊です! ◇5月21日(金)発売 <ニューハウス出版> http://www.newhouse.co.jp/ ---------------------------------------------------------------------- ――――――――――――――――――――――――――――――――― ◆ 住まいのショップ---quatre saisons (キャトル・セゾン) ――――――――――――――――――――――――――――――――― パリに本店を持つ「キャトル・セゾン」は、シンプルでナチュラルな生活 雑貨、家具などの生活調度品を通して、豊かな暮らしを提案しています。 新居のインテリアにこだわりたい方、必見です。 http://www.quatresaisons.co.jp/ ---------------------------------------------------------------------- ――――――――――――――――――――――――――――――――― ◆ 住まいのイベント---リンナイ「ためしてガス展!」 ――――――――――――――――――――――――――――――――― ガスコンロと電磁調理機(IH)との比較実演や、ガス温水式と電気ヒーター 式の床暖房比較実演、ガス温水式浴室暖房の実演など、ガスと電気の実際 の効果や違いを体感できます。 http://www.rinnai.co.jp/product/04gasten/index.html ---------------------------------------------------------------------- ――――――――――――――――――――――――――――――――― ◆ 住まいのTV---渡辺篤史の建もの探訪 ――――――――――――――――――――――――――――――――― 渡辺篤史が、毎回こだわりの家を訪問して紹介。渡辺篤史のおなじみの独 特な語りに、思わず引き込まれてしまうロングラン番組。休日に早起きし たくない方は、ぜひ予約録画を! ◇毎週土曜日/9:30?放送 <テレビ朝日> http://www.tv-asahi.co.jp/tatemono/ ---------------------------------------------------------------------- ――――――――――――――――――――――――――――――――― ◆ 住まいの音楽---ショパンのある部屋ベスト ――――――――――――――――――――――――――――――――― 「雨だれの前奏曲」「小犬のワルツ」「英雄ポロネーズ」など、初夏の風 がここちいいリビングにぴったりなショパンの名曲ばかりを集めたオムニ バス盤の2枚組CD。(商品番号:KICW-8329/30) ◇5月8日(土)発売 \3,000[税込] <キングレコード> http://www.hmv.co.jp/Product/Detail.asp?sku=1886925 ――――――――――――――――――――――――――――――――――― 今週のザウスマガジンいかがでしたか。 お届けした情報が、みなさんの『理想の住まいづくり』実現に、お役立て いただければうれしいです。 さて、来週のザウスマガジンは...? ----------・---------- <住まいの話題>は、今週に引き続き、木材の「硬材(こうざい:広葉樹)」 についてご紹介します。この硬材、今回ご紹介した軟材の針葉樹と同じ木 材でありながら、おどろくべき性質の違いが...。 <住まいの雑学>では、補強工事が始まります。強い地震にも耐えられる ようにしてしまう「筋違(すじかい)」や「火打ち梁(ばり)」などの「斜め 材」って、いったい...。 さらに、<住まいの情報>も盛りだくさん! では、来週をお楽しみに!! ――――――――――――――――――――――――――――――――――― ※このメールマガジンは、「MSゴシック」「Osaka-等幅」などの等幅フォ ントにてご覧いただくときれいに表示されます。 ※このメールマガジンは、「まぐまぐ!」にご登録いただいた方のみに配 信しております。 ※配信をご希望されない場合は、下記URLより「メールマガジン解除」して ください。 https://www.zaus-co.com/website/mail_mag/sample.html?id=mag026 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ ◆編集・発行元 株式会社ザウスコミュニケーションズ URL: https://www.zaus-co.com/?id=mag026 担当:伊東 〒104-0061 東京都中央区銀座1丁目2番4号 サクセス銀座ファーストビル5階 TEL:03-5159-8015 FAX:03-3535-8458 E-MAIL:info@zaus-co.com ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ (C)2004 zaus