対談 建築家と建てるガレージハウス -6

 

■ 最近のガレージハウスの傾向

町田  石原さんが「ガレージのある家」を手がけられてから、変わってきたこと、またはこんなところは変わってないなというところがありますか?

石原  この5年間で感じることは、「同じスタイルの家が増えたなぁ」というのが正直な感想なんですよ。本の影響は多少あるとは思います。
建築家や個人の自薦・他薦で掲載希望の応募をいただくじゃないですか。届いてあけると、ガルバリウム鋼板の外壁で、黒、白、ブルーがほとんど。あまり代わり映えがしないのです。おそらくそれが一番、建築コスト的に利にかなっているんだろうとは思いますが。
もう少し遊んだ家が出てきても、デザイン的にもね、それは本のいけないところでもあって、誌面上で「これ、いいですね」と言ったものを読者が採用されているのは感じますね。
例えば今回(vol.18)、この表紙にさせていただいたのは、インパクトもあり、デザイン的にも優れていたからです。

町田  ガルバリウム鋼板も耐久性などを考えると、メンテナンスとかのことを考えるといいんだよね。

 

「ガレージのある家 Vol. 16」で紹介された「大島のガレージハウス・東京」

石原  ガルバリウム鋼板を使った物件が、一番多いですよ。なおかつ、デザインはスクエアが多い。

町田  アールというのは、本当に使わないですよね。手間とコストもかかりますしね。うまく使いこなすのがなかなか難しいですよね。建築家の方もね。

石原  そう考えると、最近はコストを落として、1,000万円台というのはキーワードになっているのは確かですね。あと場所の傾向として、東京と大阪がメインですね。
その土地を有効利用するためのガレージハウスというのも増えています。

町田  なるほど。ザウスのガレージハウスでいうと、リフトを使って2台置けるようになっているものとか。
個人的には、すっきりしている家は飽きてしまうんじゃないかなと思ってしまいますね。若い時はいいけど。年をとってくるとね。
ただ、欧米とかのように、自分でレンガを積み上げたり、色を塗り替えたりとかも、ちょっとね。

石原  そういう文化じゃないんですよね。正直言うと、もう少し違うバリエーションを見たいですね、僕としては。コストが一番のネックだとは思いますけど。同じコストの中でも違うものが提案できてくれば面白いんじゃないかなと。

 

「ガレージのある家 Vol. 18」で紹介された「市ヶ尾のガレージハウス・横浜」

町田  基本的に和風にしていくと、コストはかかると思うんですよ。じゃあ、洋風かというとそうでもなくて。中途半端な日本独自のもの、ガルバリウムの家とかね。工場とかでしか使ってなかったようなもの。
今でこそ、デザインがいいものが出てますけど、昔はね。そういう意味ではいい素材が見つかったところなんでしょうね。

石原  その反面、コストをかけるところはかけるという人はいて、狭いなかでも、リフトを入れたり、ターンテーブル入れたりとか設備面は充実したり、よりいいものを選ぶ傾向はありますね。限られたスペースでクルマを入れ換えしようと思ったときに、有効なのはターンテーブルですね。100万円ぐらいですね。あと排気ダクト。

 

「ガレージのある家 Vol. 17」で紹介された「柏原のガレージハウス・大阪」

町田  排気ダクトは、結構つけられてますよね。僕もあれ、つけたいですね。でも今さら、コンクリートに穴あけられるかな?

石原  でも、あれって、安くないんですよね。ただ、こだわる人はそういう設備にこだわる傾向が今、ありますね。

町田  そうですね、いつかはと思うなら最初からフェラーリが入る幅のガレージを考えないと(笑)。
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