対談 建築家と建てるガレージハウス -7

 

■ 今後のガレージハウスはどうなっていく?

石原  ここ5年の話でざっくり言うと、今までは建築家をメインでやってきたのですが、それにプラスアルファで住宅メーカーがやりたがっている傾向は感じますよね。
  ほとんどの住宅メーカーに話は聞きに行きました。売るものがないんじゃないかなと。でも、ノウハウがない。トヨタホームさんはされてますけどね。
  今後、ザウスさんを含めてですけど、躯体だけじゃないプロデュースとスクラップアンドビルドじゃない、そういうところを僕は期待をしたいですし、逆にそういうところを目指していけば、日本人の考え方も変わってくると思いますよ。
  建築家が応募してきた資料は、全部に目を通すんですけど、ガルバリウム鋼板のガレージハウスばっかりにならないようなバランスにしたいなと思っていて。でも多いのはコスト面の影響が大きいでしょうね。
  あと流行も。その次の素材が見たいですね。次に何がくるのか、気になりますね。

「ガレージのある家 Vol.」で紹介された「高幡不動のガレージハウス・東京」

町田  なるほど。あらためて誌面を見ていると、クルマ好きの人が多いですね。

石原  やっぱりクルマ好きや趣味人だと、家やガレージにもこだわる人が多いのは確かですね。

町田  建築家にもこだわりがある人がいいですね。アウトドアがすごく好きだとかね。
  自分のこだわりをね、お客様のこだわりと融合させていいデザインを提案する、そういう建築家がたくさん出てきてほしいですね。

石原  そうですね、あと狭小地に住宅を建てる傾向として、賃貸ガレージハウスは需要がありますね。
  賃貸のガレージハウスも家賃の関係で、なるべくコストを抑えて、安い物件を作りたがっていて、賃貸としていい物件というのは少ないと思いますよ。
  それとは逆に、入居する方のことを考えて、設備を入れて、高い家賃設定にするということが出てくると思いますよ。

「ガレージのある家 Vol. 18」で紹介された「六甲のガレージハウス・神戸」

町田  ガレージを優先する人が今のところ多いのでしょうね。部屋として機能はそこそこで、それよりガレージスペースや作業出来ることを優先するという人。部屋の機能は最低限、あればという人。

石原  部屋の設備は最低限のグレードで家賃を低めの設定にするというオーナーさんが増えていますね。

町田  富裕層でも、賃貸がいいという人たちでも納得できる賃貸ガレージハウス。戸建てでもマンションでも豪華なガレージハウスを希望する人たちはいるはずですね。

「ガレージのある家 Vol. 19」で紹介された「葛城のガレージハウス・奈良」

石原  理想はそれで、なおかつ家賃が抑えられていればなお良しですね。豪華で高い家賃ならおそらく誰でも作れてしまうでしょうから。

町田  そのあたりのバランスが肝要ですね。

石原  利回りをきちんと計算されるので、なかなか冒険は難しいでしょうけど、現実としては。最低限の設備・しつらえで貸し出すというのが計算の結果でしょう。これなら自分にも賃貸経営ができるかも。もしくは、この家賃なら移ってもいいかなという風に思ってもらえることが大事ですね。

町田  なるほど、そうですね。これから、ザウスでもガレージハウス賃貸を建てるお手伝いが出来るようにしなくてはいけませんね。

本日は、貴重なお話とご意見をありがとうございました。

「GarageLife」「ガレージのある家」を発行している
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