本日の予想最高気温が36度とのこと・・・
現場で頑張る職人さん、現場監督さん、ご苦労様です。
さて、先日私は兵庫県の猪名川町にある、『猪名川霊園』に行ってきました。
霊園といいましてもお墓参りに行ったわけではなく、そこに建つ礼拝堂と休憩棟の見学が目的です。
現在、とある建物の計画で計画している外壁の参考になるかもしれないという理由。
つい最近できたばかりの建物ですが、設計はイギリス人のデヴィッド・チッパーフィールド。世界的な巨匠です。
全体が入らないのでわかりにくいですね。
構造は鉄筋コンクリート。肝心の外壁は『カラーコンクリートの打ち放しのうえサンドブラスト加工』。
サンドブラストとは砂状の研磨剤を吹き付けて対象物の表面を削る加工方法。
普通の化粧打ち放しとは違う、ざらざらした表情がうまれます。
岩のような、地層のような色味ということもあって、猪名川の山や木々の中でも自己主張することもなく風景に馴染んでいるように思えました。
建築家の細部へのこだわりはもちろんあるのですが、竣工引き渡し後の建物の使い方に至るまでチッパーフィールドからの指示があるとのこと。さすが巨匠です。
礼拝堂には照明器具もエアコンもありません(照明は裏方にはありますが)。自然の光と風で過ごすことになります。
建築家の絶対的な自信と、建築主の包括的な理解がなければなかなか難しいことです。
ベンチなどの家具は全てカッシーナの特注だそうです。チッパーフィールドがデザインしています。
とにかく陰影が素晴らしく、厳粛な気持ちになりますね。
床はテラゾーという仕上げ。昔はJR(国鉄)の駅舎の床などによく使われていたのですが、最近は職人さんの不足でなかなかできない仕上げ方です。
これ以上そぎ落とすことができないほどシンプルでありながらも濃密な空間です。
案内頂いた方もとても丁寧にご説明頂き、思わず魅入ってしまいました。
素晴らしい建物でした!