相談する前に色々と研究したつもりでしたが、実際に動き出してみるとお金や契約のことなど、専門的な知識を必要とする場面がいくつもあり、ザウスさんの存在はとても頼りになりました。設計のプロ、住宅プロデュースのプロ、それぞれに力を発揮していただいたことで満足できる家に仕上がったと思っています

雑誌 ガレージのある家 vol.35 掲載 photo / Yohei SASAKURA(笹倉洋平)text / Shunsuke OOBUCHI(大渕俊輔)

シンプルな造形の中に光る素材使いの妙、 細やかな配慮を随所に感じる和歌山のガレージハウス

所在地/和歌山県
敷地面積/329.7m2(約99.7坪)
延床面積/199.4m2(約60.3坪)
ガレージ/39.7m2(約12.0坪)
ビルトイン台数/2台
愛車/ニッサン・フェアレディZロードスター、マツダRX-8
他の特徴/アウトドアリビング


白い外壁と伸びやかなラインから感じる、洗練された印象は間違っていない。だが、細部を見るほどに感じ取れる建築家の技、プロデュース会社のテクニックが、この家に”本物”の価値を加えている。

Tさんは、いつかは戸建て住宅を建てることを目標としていた。以前は住居以外に別棟ガレージを使用するほどのクルマ好きだから、
それがガレージハウスとなったのはある種の必然だが、とは言え建築家をはじめとするパートナーによって、その出来がまったく異なるのが家である。

特にガレージハウスには”ならでは”なコツがある。だからこそTさんも、実際に動き出す前から雑誌やウェブで情報収集をしていたのだが、そんな時、数々の建築家とは異なるエッセンスとして、『ザウス』の名を見つけたのだそうだ。

ご存じのとおり、同社にはガレージハウスを手掛けてきた豊富な実績がある。すでに土地の目星をつけ始めていたTさんは、まずはガレージハウスに適しているのかを確認してみようと、ザウス大阪店を訪れたのだった。

この和歌山のガレージハウスを訪れた人を出迎える空間だけに、エントランスの空間をたっぷりと取っている。エントランスホールとガラスを隔てて設けられたインナーガレージは、Tさんの趣味を反映させたシックな雰囲気。愛車を眺めたり、雑誌を読んだりと、日常の忙しさから一時離れることができる特別な場所だ。

「土地の適性や建築の注意点などを分かりやすく説明してもらえたので、それまでは私の頭の中にだけあったイメージが、実現に向けて形づくられていく
ような気がしました」。初めての打ち合わせを終えた際の印象を、Tさんはそう語る。

数多くいる登録建築家の中から選ばれたのは藤原誠司さん。「過去の実例でいいと感じていた建物の多くが藤原さん設計の家だったんです」、そんなT
さんの想いを受けた藤原さんは、2 台分のガレージに加えて来客時にも便利な駐車エリア、硬軟の素材を巧みに使い分けた居住スペース、お子さんも安心
して遊ぶことができるアウトドアリビングなど、Tさんのライフスタイルに沿ったプランを提案。

さらにザウス・プロデューサーのコスト管理や素材提案といった心強いサポートを受けながら、打ち合わせは進んでいった。

リビングと庭を自然に結ぶ役割も担うアウトドアリビング。お子さんの遊び場や、友人を招いてのちょっとしたパーティーなど、Tさんご一家の思い出作りの場となっていくに違いない。
スチールの造作階段はデザイン的なアクセントとしても効果が高い。
Tさんご家族が最も多くの時間を過ごすであろうリビングは、床面のタイルに対して、天井面にウッドの
ルーバーを配することで硬質な印象になりすぎるのを抑えている。屋根の傾斜をそのまま反映させていることもあり、
眺める場所による視覚的変化も楽しめる。ただコストもかかるため、プロデューサーはそのほかの部分とのバランス調整に気を配ったという。
ガレージ内は装飾を抑えたシンプルな作り。フェアレディZロードスターとRX-8という2台の国産スポーツカーを愛機とするTさんだが、憧れのクルマもまだまだあるとのことなので、その度にここの雰囲気も変化していくのだろう。

それでは、和歌山のガレージハウスを見ていこう。窓を最小限とし、伸びやかな直線によって形づくられた外観は、白い外壁色であることも相まって、実に上品な佇まいだ。巻き上げ式アルミシャッターを開けると姿を見せる2
台の国産スポーツカーの背後には、コレクションケースを備えたホビースペースが備わり、Tさんにとってはここでお酒を飲みながら愛車を眺める時間が楽
しみになっているのだとか。

また、奥様のリクエストで、独立性を保つために斜めに設置されたキッチンや、生活の中心としてゆったりと仕立てられたリビングには、藤原さんらしい素材使いの妙が見て取れる。

オフホワイトのタイルを基調とした床を採用しているT 邸だが、天井部に柔らかい印象を与える天然木のルーバーを配することで、デザイン的なメリハリが付けられている。そのルーバーは庭に設けられたアウトドアリビングにもつながっているため、大きな窓を通して”中と外”の境目が淡く設定されているような印象だ。

玄関ホールの一部を吹き抜けとし、2階からでもガラス越しに愛車の存在を感じられる。
ガレージをつくりたいという人が何を求め、どうすればその想いを実現できるのかを理解しているパートナーだからこそ、こういったアイデアが実現されるのだ。
道路側には極力窓を設けず、外部からの視線を遮断することで、より上質なくつろぎ空間を生み出している。
キッチン、リビング、ガーデンテラスと、機能は独立させながらも空間としてのつながりが、デザインによってうまくまとめられていることが分かるだろう。夏は子ども用プールを置いて思う存分楽しんだのだとか。
リビング同様に設けられたルーバーが、エントランスの表情をより豊かなものとする。写真では分かり辛いが、ガラス板がはめ込まれており、実用性と高級感を両立させる藤原さんの心遣いが感じられる。

「相談する前に色々と研究したつもりでしたが、実際に動き出してみるとお金や契約のことなど、専門的な知識を必要とする場面がいくつもあり、ザウスさんの存在はとても頼りになりました。設計のプロ、住宅プロデュースのプロ、それぞれに力を発揮していただいたことで満足できる家に仕上がったと思っています」。そう話してくれたTさんは、今宵も愛車と至福の時間を過ごしているに違いない。

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