関西国際空港まで30分弱、大阪の中心部からでも小一時間の距離にありながら、 長閑な風景が残る泉南市のバイク専用ガレージを持つ大阪泉南のバイクガレージハウス。

雑誌 BMW BIKES vol.72 掲載 photo / Yohei SASAKURA、Daisuke HAKOZAKI text / Kazushige UEKI

明るいLDKと隠れ家的ガレージ。コンパクトな設計で居心地良い空間を作る大阪・泉南のバイク ガレージハウス

所在地/大阪府泉南市
敷地面積/304.7m2(約92.2坪)
延床面積/123.0m2(約37.2坪)
ガレージ/11.6m2(約3.5坪)
ビルトイン台数/大型バイク3台


家族のコミュニケーションを第一にした間取りと開放的かつ落ちつきあるLDKのデザイン。大きな敷地にありながら、必要にして充分な空間。大阪府泉南市に建築されたバイク ガレージハウス を紹介しよう。

相対すると箱を重ねたような印象の泉南のバイク ガレージハウス は、古くからの住民が多い地区に立てられた。正面から見上げるとLDKにしつらえた大きな窓が特徴的な外壁に使われたガルバリウム鋼板とLDK外壁に使われたサイディングボードとのコントラストも美しい。

センターの4輪用パーキングをピロティ構造とした1階部分は、バイクガレージとエントランスを振り分けるように配置。同じ建物にありながら、ガレージを完全独立型とした設計である。
その佇まいは、蔵を左右に配置した江戸時代の豪農やお城の門構えなどを想起させる。

写真:上 斜め前方から見ると、箱の集合体である印象がより強くなるデザイン。LDK部分の天井まで届く窓と外壁によって、2階のボリューム感が強まっている。屋根がひさしの役割を果たし窓の汚れを軽減している。
ガレージはエアコン付き。3m強の奥行きを持っているが、壁一面を鏡張りとすることで、さらに広くみせる。この鏡は、チアリーディングを子どもたちに教える奥様の趣味にも使われている。土間は防塵塗装仕上げ。

外観は、ガルバリウム鋼板を使った母屋に対して、ガレージ部分だけ木貼りとすることで、その存在をさりげなくアピールしている。
一般的に木貼りの外壁は、メンテナンスに手間がかかることから採用を見送ることも多いのだが、今回は母屋の2階部分がせり出していることと、日差しによる影響が少ない北東の壁という理由で採用された。

エントランスに、ガラスの入った木製の引込みトビラを使ったガレージの大きさは3.5坪。
大型バイク3台を余裕で格納できる。そして奥の壁一面を鏡張りとすることで、実際の数字よりも広く
明るい印象の空間を作り出している。

一方、居住空間は、1階部分をエントランスホールと家族の寝室、2階部分をLDKとサニタリースペースで構成し、家族が集う空間を大切にした設計であることが伝わってくる。

ユニークなのは、ロフト兼書斎。2階奥に配置されているこのスペースは、吹き抜け構造とした1階の主寝室と空間を共有し、天井からはターザンロープが吊るされ、上下の移動を可能としている。さらに入り口を茶室のにじり口のように小さく(頭を下げて出入りを行う)設計することで、視覚的効果とプライバシーを高めることに一役かっている。

北東側に配置された大きな窓が印象的なLDK。年間を通じて安定した明るさを確保できると同時に、家具の日焼けも最小限に抑えることができる。ハリを形成する木材にスポットライトを配置することで、天井がすっきりした印象。窓枠部分も同じ木材を使い、室内空間を暖かみのあるものとしている。
1階の主寝室。吹き抜け部分に見えるロープは、ご主人のトレーニング用。
おもにご主人の趣味のスペースとなっているロフト部。1階の主寝室のロフトでありながら、2階の隠し部屋的な要素も持っている。
ガラスをはめ込んだ引込みトビラを使ったガレージ。洗面台もしつらえてある。
四角い箱を組み合せたかのようにも見える泉南のバイクガレージハウスは、窓の少ない1階部分と2階LDKの大きな窓と白い外壁が好対照。センターのピロティは、江戸時代の蔵建築を彷彿とさせる。

敷地面積約90坪という土地に対して、無闇に建築面積を大きくせず、全体のボリュームを抑制し、
コストダウンにつなげている。このようにコストを抑えながら施主の要望を適える設計は、全体をプ
ロデュースするザウスの手腕によるところも大きい。等身大のガーレジハウス作りがここにはある。

もっと多くの ガレージハウス を見たい方はこちら

  • facebook
  • twitter
  • pinterest
  • hatebu
  • LINE

サービスエリア:東京都 神奈川県 埼玉県 千葉県 群馬県 大阪府 京都府(南部) 兵庫県(中南部) 奈良県 和歌山県 滋賀県(南部) 三重県(一部)