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対談 建築家と建てるガレージハウス -3

 

■ 建築家とのガレージハウスづくりについて

石原  住宅メーカーさんにライフスタイルの話を聞いても、庭づくりの提案だったり、ウッドデッキの提案だったりとかはしないと思います。オプションという設定で決まったものは出しますけど。
例えば、サーファーなので、ウッドデッキにシャワーをつけましょうとか。ガーデニングが好きだから、四季折々の木を混ぜて植えましょうとか。それこそ、クルマ好きだから、ガレージを広くとりましょうとか、そういう提案はないですね。そこに建築家とザウスさんが入る意味合いが出てきますよね。また、住宅メーカーだと躯体ありきなんですよね。躯体にお金を取るだけとる。
建てた人に話を聞くと、カーテン代を抑えたとか、家具をワンランク下げたとか、それとあと外構は後からとか。
逆に言うと、そこをトータルプロデュースするプロデューサーという立場の人がいてコスト・プランなどをしっかりとコントロールして住まいを建てる。
そういう取り組みを続けていくことによって、極端なことを言うと、今後日本も、一軒一軒、いい家が建ち、今度はその集合体である街並みもいいものが形成されると、心も豊かになっていくのではないかと思っています。

町田  どんなに家がカッコ良くても、アメリカやヨーロッパの郊外がそうですけど、街並みの価値も大切だと思います。日本はどうしても「隣は隣、うちはうち」という発想が 強い。
そして、不ぞろいなものが並んでいく。屋根の色まで合わせろとは言えませんが、ただ、やはりヨーロッパの郊外なんかで建物や屋根の色に統一感があったりするのはカッコいいですね。


弊社代表取締役 町田 憲昭


石原  街並みが整うと、そこに価値観が生まれて、それなりの住人が住んで、コミュニケーションが生まれる街が出来る。そういうことを多分、考えているんでしょうけど、まだそこまで出来てないですよね。皆さんそう唱えていますけど。

町田  日本の街は、新興住宅街を開発し、そこに若い人たちが集まってくる。そこが20年、30年経つとお年寄りだけの街になって、ゴーストタウン化してしまう例がある。そうなると街の価値は残念ながら下がっていくだけですね。

石原  結局、住宅を建てることだけが目的で、世代交代による変化のことを最初から考えてないし、建てっぱなしなんですよね。

町田  そうですね。なにより、家が並んでいるだけで、そこにコミュニケーションが生まれる土台や空間が考えられていないんでしょう。
だからコミュニティーも生まれないので、世代を超えて定着しない。さらに元々の住宅の寿命が短い上に、妙に流行り廃りがある家を建ててしまうから。

石原  そう考えると、今、流行っているガルバリウム鋼板を外壁に使っている家もそうですが、おそらく20年後、あの時代の建物だなってなってしまう。それでいいのかなってちょっと思いますよね。

町田  ブロックメーカーにいたときに、レンガの買い付けでオーストラリアに行っていました。向こうは郊外になんとかヒルズみたいな住宅街があります。行くと、ほんとにいいんですよ。よく見ると庭なんか単にレンガを積んであるだけだったりするんですけど、緑がきれいにメンテナンスされていてね。
ああいうところは、スタイルが変わらないんですよ。色の流行廃りはあるんでしょうけど、質感は全部一緒。日本みたいに軽い家はどこにもないですよ。
ああいうスタイルは、はじめにお金をかけて家を建てて、そこに手を加えながら、何百年と住みつづけていくというのは、日本では非常に少ないですね。

「ガレージのある家 Vol. 8」で紹介された「横須賀のガレージハウス・神奈川」



石原  日本は、スクラップアンドビルドで、35年でローンが終わったら建替えましょうというもの。それを国がやってきたのか、住宅メーカーがやってきたのかわかりませんが、その考えを改めていかないと、いい街並みにはどうやっても生まれないですよね。

町田  ほんとにそうですね。クルマもそうですよね、型遅れだとなんとなく気が引ける。型遅れは、今頃、ロシアや中東で活躍しているんでしょうね(笑)

石原 そうです、クルマも同じですよ。車検の度に買い替えましょうなんて。おかしいですよね。

町田 平均7年でしたっけ?でも、モデルチェンジが早いので5年くらいで買い替えですか。ほんとに国産車はモデルチェンジが早いですね(笑)。日本の道路では、古いクルマが本当に減った気がします。

石原  少し話がそれてしまいましたね(笑)。この5年で建築家という存在の価値があがってはいますね。親しみやすくなったというのはありますね。

町田  そうでうすね。ザウスにも建築家と建てることを前提に来られる方が多くなりましたね。

石原  そう考えると、日本も建築家という存在は浸透してきつつありますね。どうですか、昔と比べてやりやすいですか?

町田  そうですね、建築家と建てたいと明確に意思を持たれている人は増えたのはうれしいですね。最近では、予算がないから建築家でという考え方の人も増えていますね。
ただ、地元(前橋)では周りに建築家で建てたというのは少ないですね。ほとんど住宅メーカーか建売か、地元の工務店ですね。
そう考えると場所によっては、建築家で建てるという選択肢が一般的でない地域もあるってことですね。

石原 情報の多様化じゃないですが、情報は建てる側が自分で得て、建築家と建てるという選択肢を選び、あとはどこにアクセスするかですね。 次ページへ



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