甲陽園の住宅

厳しい立地条件を克服した快適な住まい

夕闇に照らし出された建物は、さながら巨大なオブジェのよう。夜ともなれば、2階のリビングとインナーテラスからまるで宝石をちりばめたかのような甲陽園の夜景が楽しめる。

夕闇に照らし出された建物は、さながら巨大なオブジェのよう。夜ともなれば、2階のリビングとインナーテラスからまるで宝石をちりばめたかのような甲陽園の夜景が楽しめる。



兵庫県西宮市・甲陽園。緑に囲まれた高台に位置し、南に阪神エリア全体・大阪湾を一望できる絶好のロケーションに建つM邸は、心ゆくまで眺望が楽しめるお住まいです。

しかし、そのお住まいが建つ敷地の3分2はなんと「急斜面の崖地」。家を建てるには、技術とアイデアが要される場所でした。

建築家ならではのたくみな空間の演出が住まいの随所にのぞく。

建築家ならではのたくみな空間の演出が住まいの随所にのぞく。


「家をつくるには“偏差値の高い場所”でしたが、眺望や景観のよさは、何ものにも代えがたい魅力でした。それに、この変形地を活用してデザイン性の高い家づくりができるのでは、と考えてこの土地を選びました」。建築主のM様は、当時を振り返られます。

設計を担当したのは、北村 陸夫氏。ザウスのプレミアム建築家である、経験豊富なベテラン建築家です。

M様が北村氏に託されたご要望は、大きく3つ。「木造部分を作ること」、「リビングダイニングルームを広く取ること」「1階に趣味の部屋をつくること」…はたして、この厳しい立地条件の崖地に、どのような設計プランで応えたのでしょうか。


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崖地に配慮された快適な設計デザイン

北村氏は、住まいの外観を、緑豊かな山を背に円弧状を描くデザインとしました。地形にほどよく溶け込み、住まいに眺望を取り込むことを実現したスタイリッシュな外観です。

さらに、地盤が不安定な崖地に配慮し、地下と1階を頑強な鉄筋コンクリート造、2、3階を居住性の高い木造の「混構造」に。機能面に優れ、建築家ならではのたくみなデザインで、見た目以上の快適さが実現しました。

「すべてが鉄筋コンクリート造だと冷たい雰囲気になるので、なんとか木のぬくもりを取り入れようと思って。そのため、木造部分に強度を上げるための筋かいを入れるなどの工夫をしました」と北村氏。

「ただでさえ立地条件が悪いのに、細かな構造計算までしていただいて。北村さんは苦労されたと思いますが、おかげさまで、仕上がりにはたいへん満足しています」と、M様も笑顔で話されます。

曲線を描いたスタイリッシュな外観。2階のリビングとバルコニーからは、阪神エリア全体と大阪湾の美しい景色が一望できる。

曲線を描いたスタイリッシュな外観。2階のリビングとバルコニーからは、阪神エリア全体と大阪湾の美しい景色が一望できる。

多目的に活用できる「趣味のスペース」。昔のバンド仲間を招いて、スタジオ代わりに使うこともあるとか。

多目的に活用できる「趣味のスペース」。昔のバンド仲間を招いて、スタジオ代わりに使うこともあるとか。

1階の「趣味の部屋」は、コンクリート打ちっ放しのシンプルな空間。昔、バンド活動をされていたM様が、仲間と一緒にスタジオ代わりに使用したり、ホームシアターを楽しむ多目的スペースとなっています。

また、趣味の部屋に設置されているトイレにも、こだわりの一面が。壁が曲面になっていて、一見すると、トイレとは思えないデザインなのです。「遊び感覚を取り入れて作ってもらいました。イメージは、おしゃれなバーのトイレでしょうか。じつは、ステンレス製の手洗い場も既製品ではなく、オリジナルなんですよ」。M様と北村氏のこだわりは、お住まいのいたる所にのぞくことができます。


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開放的な空間が家族の会話を育む

2階には、木のぬくもりがあふれる広々としたリビングダイニングルームが設けられました。庭に面した大きな窓から、甲陽園の豊かな景色を眺めることができます。また、3階まで吹き抜けとなっており、上の窓からもリビングに向かってさんさんと光が降り注ぐ、心地よい空間です。

さらに、落ち着きある風合いの栗(くり)材のフローリング、キッチンまわりに配された乳白色のガラスなど、空間に快適さやぬくもり感を与える建築家の演出は尽きません。

大きな窓の向こうには、板張りのインナーテラスが設けられました。リビングダイニングと一体感を持たせることで、空間に広がりを持たせるほか、家族との大事なコミュニケーションの場にもなっています。

「このインナーテラスは、昔の日本家屋にあった『縁側』をイメージして作りました。自然と人が集まって、コミュニケーションが生まれる。そんな場所になってくれたらいいですね」と北村氏は語ります。

最上階のフロアは、家族それぞれの部屋。吹き抜けに面した廊下に出るだけで、2階のリビングダイニングにいる家族とも会話ができる構造になっています。

昔ながらの日本家屋にある「縁側」をイメージして設けられた、屋根付きのインナーテラス。コミュニケーションの場としての役割も果たしている。

昔ながらの日本家屋にある「縁側」をイメージして設けられた、屋根付きのインナーテラス。コミュニケーションの場としての役割も果たしている。

3階からは、廊下に出るだけで2階のリビングダイニングにいる家族と会話ができる。吹き抜け空間の魅力の1つ。

3階からは、廊下に出るだけで2階のリビングダイニ???ングにいる家族と会話ができる。吹き抜け空間の魅力の1つ。

「『おーい』でつながる家とでも言えばよいでしょうか。壁で分断せず、常に家族の雰囲気が感じられるような家にしたかったんです」とM様。

崖地という厳しい立地条件をみごと克服し、3つの要望がすべてかなえられた充実のお住まい。夕暮れどきになると、リビングの大きな窓からオレンジ色の光がこぼれ、道ゆく人たちも温かな気持ちにさせてくれる、たいへん快適な住宅となりました。


建築家コメント

北村 陸夫

北村 陸夫


崖地の形状を最大限に生かし、眺望を存分に楽しめる住まい。M様の深いご理解と施工会社の協力のもと、素晴らしい家を完成することができました。崖地でも、構造的・心理的な安心感を持てることも設計コンセプトの一つとしています。


プロデューサーコメント

藤原 真

藤原 真


自然をくずさない円弧状の外観、外部へ優しい印象をかもし出すアール形状のデッキテラスなど、M様と建築家の感性が響きあった、素敵なデザインのお住まいです。




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