自然を感じながら、ウサギとのんびり暮らす
![]() 壁一面を使用した4mもの書斎スペースが印象的なリビング。窓からは、年間を通して自然豊かな景色が広がる。 |
「ニンジン畑」と「のどかな環境」が住まいづくりのテーマを決めた |
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都心から電車で40分。時間の流れがゆっくりと感じられるのどかな風景の中に、N邸が静かなたたずまいを見せています。高台に位置し、目の前には、どこまでも続く青々としたニンジン畑…。 |
![]() シンプルながらも機能的な空間が広がるN邸。住まいの随所に見られる、建築家ならではの工夫とは…。 |
新しく住まう場所に選ばれたのは、千葉県・習志野市。住まいの建てられた場所は、今でこそ新居が建ち並ぶ住宅地ですが、建築当時は、空き地とその隣に広がるニンジン畑だけだったとか。
「正直なところ、本当に何もない土地でした。けれど、風景はとても美しかった。そこで、“美しい風景を生かすこと”を家づくりのテーマにしてみました」と、稲沢氏は当時を懐かしみながら語ります。
自分だけの時間をゆったりと過ごす、ぜいたくな書斎
「シンプルな家でもかまわない。でも、間仕切りを作らないで広い空間にしてほしかった。それと、読書が趣味なので、大きな書棚も欲しかったですね」。
N様のご要望に、稲沢氏は、絶妙の空間構成でその期待に応えました。吹き抜け式の開放的なリビングに、壁一面の窓をレイアウト。暖かな日差しが差しこみ、窓の向こうに広がる畑には、春はニンジン、秋にはネギが実ってN様の目を楽しませてくれるそうです。この畑一面には、年間を通して、緑の絨毯(じゅうたん)が広がり、「見ているだけで気持ちが和みます」とN様。美しい風景を取りこんだ心地よい空間に、心から安らぎを感じられているご様子です。
続いて、北西の壁に目をやると、なんと一面が書棚。高さ約4メートル、壁面すべてが書棚となった書斎スペースは、図書館も顔負けの贅沢な仕上がりです。「以前は本の置き場に困っていましたが、この大
きな書棚があればまったく心配ありません」。大好きな読書で自分の時間をゆったりと過ごせる“私的空間”がみごとに演出されています。
書棚はCDラックとしても活用可能。読書とともに、ゆったりとした気分で音楽を楽しめる。
書棚の反対にある壁は、一面が大容量の収納スペース。サイズを気にせず、気軽に荷物を収納できるのだとか。
建築家ならではのホスピタリティあふれる工夫
稲沢氏は、建築家ならではの工夫と細やかな気配りで、N様のご要望を形にしていきました。
2階へと上がる階段は、互い違いの2列の踏み段を設け、できる限り余分な面積を取らないように配慮。また、花粉症のN様を気遣い、室内で部屋干しができるように、柱にフックを取り付けて物干竿がかけられるようにしました。
また、部屋全体の統一感を考えて、書斎のデスクは書棚やフローリングと同様の杉材に。壁紙も、より温かみのある空間を演出するため、沖縄の月桃という植物から取れる「月桃紙」を採用しました。
住まう人のライフスタイルや、細かいご要望のすべてに配慮された、オンリーワンの家。そんな自分らしい住まいだからこそ、でき上がった時は、何ともいえない感動と愛着に包まれたものとなります。
「模型を見た時は少し無骨な感じがしたのですが、実際にできあがってみると、木の素材感が生かされた温かみのある空間になりました」とN様。「おかげで、家づくりの楽しさが分かったような気がします。最後は稲沢さんと2人で床のワックスがけをしたんですよ」と笑顔で話されます。
住まいづくりのポイントは2点。畑や周りの美しい風景を楽しめることと、N様のご要望でもある無駄と思われるものを省き、素材やこだわりに予算をかけることでした。浴槽や間仕切りなどをなくし、天然素材を多用して、温かみのある空間の演出を心がけています。
森脇 祐樹
ザウス東京店
予算計画や土地探しからご一緒しました。打ち合わせでは、将来的なことも考えて、間取りや設備面で一般的な住まいの実例をお話ししましたが、N様はこだわりの部分を追求されました。しかしその結果、他にはない魅力的な家が完成することに。男の隠れ家のような雰囲気で、N様にぴったりのお住まいです。
ロフトへの階段。階段分の面積を少なくし、抑える工夫を施す。
リビングの中央にある畳スぺ―ス。ペットのウサギが床を滑らないように設けられている。
道路に面したショーケースのような空間は、N様愛用の2台の自転車を並べて収納できる。



