建築主のこだわりと条件
「本当に心地好い家。帰ってきたいって気持ちになる家です」と笑顔で語られる建築主のN様ご夫妻。
渋谷から電車でわずか二駅という都心に位置しながら、どことなく親しみやすい下町風情の漂う三軒茶屋。その駅からほど近い住宅街にあって、道往く人の目を惹くモダンな建物が、N邸です。
ノッポでスマートな印象。けれども、近づいてみると意外に小ぢんまりとした佇まいです。
「狭小住宅って、テレビで紹介されたこともあるくらいです」と笑う奥様。聞けば、わずか十八坪弱という、確かに小さな敷地です。

中村 高淑
中村高淑建築設計事務所
建坪に制限があるなかで、構造を犠牲にせずに、数字上の面積以上の『広がり感』をどう実現するかが大きなテーマでした
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住まいづくりを心から愉しめるイベントに
「ここに住むようになってから、家にいる時間が長くなりましたね。たとえば仕事の後にどこかへ出かけるときも、いったん家に戻るとか。帰ってきたい、って気持ちになるんです」と奥様。「やっぱり居心地がいいから、生活も楽しくなったね」とご主人。
二階にあるリビングは、とてもゆったりとしていました。上にロフトを設けてあるため、天井が高く開放感たっぷり。道に面した一面は、ガラス戸の上もまた天井まで続く大きな窓。さらに側面の一角と階段横にも大きなガラスが張られていて、光をふんだんに採り込むつくりです。
中村氏のアイデアと高度な設計技術の賜物とも言えるN邸、その建築計画は、驚くほどスムーズに進行しました。
「中村さんがおっしゃっていたんです、『一杯飲んで帰ってきたときは、階段は危ないし、すぐ横になりたいでしょう。だったら寝室もお風呂も一階にあったほうがいいでしょう』って。住んでみたら本当にそうでしたね」と笑うご夫妻に、中村氏も「僕は、自分が住む人になりきってから設計を考えるので」と笑います。
気持ちの通じ合った中での家づくりは、共働きで忙しい日々を送っていたご夫妻にとって、「人生の節目」であると同時に、「心から楽しめるイベント」でもありました。
「結婚して長いし、子供もいませんし、以前は、ともすれば変化のない日常になりがちでした。そんな中で、自分たちの家を手に入れたことはもちろん大きな喜びでしたけれど、むしろ、家づくりのプロセスそのものをふたりで楽しめたということが、いちばんの収穫だったのだと思います」と、満足げに微笑むご夫妻です。

中村 高淑
中村高淑建築設計事務所
ガラス窓を多用し、内部空間もギリギリまで広くとる設計としましたが、見えないところで特殊な工法を駆使することで、構造的な強度はしっかり保っています

近藤 君代
ザウス東京店
打ち合わせの回数も時間も、本当に少なかったですね。N様の『シンプルかつ、リラックスできる空間を』というご希望に、中村さんのプランは最初からきっちりと応えていましたから。こんなふうにいい出逢いがつくれ、私もプロデュースしていて充実感をおぼえました」
ガラス窓を多様した外観
アール屋根が特徴の建物正面
吹抜けにある天井までのガラス窓
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