採光へのアイディアが満載
K邸が建つ敷地は典型的な旗竿地。設計を手掛けた建築家の榎本康三さんは“独創的なアイディア”で快適な空間に仕上げました。
榎本さんが提案したのは、四角い箱を斜めにカットして(つまり台形状の箱がふたつできるわけです)、それを南北にずらしたようなユニークなカタチ。
しかし、このデザインが決して奇をてらったものでないことは、中に入ってみればすぐにわかります。
玄関のドアを開けた瞬間、まず目に飛び込んでくるのは、天井からのまばゆい光に照らされた階段ホール。建物を分割してできた中央の隙間をトップライト式の吹き抜けに活用することで、十分すぎるほどの光を得ているのです。
「四方を建物に囲まれているので、どうやって光を採るかが課題のひとつでした。ザウスに家づくりを依頼した際、3名の建築家の方にプランを提案していただいたのですが、ひと目で気に入ったのが榎本さんのプラン。光がたっぷり採れるので、冬でも暖房がいらないぐらいです」とオーナーのKさんも納得の様子。
建物をふたつにずらしたのも、採光への配慮。
建物の前と後にライトコートを設けて、さらに光を得る。
スキップフロアで開放感をアップ
建物内部はスキップフロア構造。吹き抜けスペースに設置された階段が、互い違いになった3つのフロアをつなぎながら、上へ上へと視線を誘います。
玄関を入ると左手はKさんのご両親の寝室。右手が階段になっており、ゆるやかな段差を上がっていくと、1階にはダイニングキッチンが、1・5階にはリビングルームが配置されています。
「どちらの部屋も吹き抜けと一体化したつくりになっているので、開放的で広々とした印象。とても居心地がいいですね。どこにいても家族の気配が感じられるので、安心感もあります」とKさん。
さらに、「リビングルームは近隣と窓の位置がずれているので、外からの視線が気になりません。これも住宅密集地におけるスキップフロアのメリットかもしれませんね」とも。
最後の階段を上った2階は、Kさんと妹さんが寝室として使用している和室と洋室。プライベート空間ということで、このフロアだけは吹き抜けスペースとの間に壁を設けてあります。そのためトップライトの恩恵を受けることは少ないのですが、それが逆に光のメリハリを生み、プライベート空間らしい落ち着きのある雰囲気につながっています。フロアへの入り口を丸窓風にデザインしたり、和室と洋室の間仕切りを障子にしたりと、和の風合いを数多く取り入れている点も、温かみのある雰囲気づくりにひと役買っているといえるでしょう。
そしてもうひとつ、この家にはKさん専用の“秘密の部屋”が存在します。それは、ダイニングキッチン下にある10畳ほどの半地下スペース。
「当初のプランでは収納部屋にするはずだったのですが、実際はホームシアター兼趣味の部屋に使っています。中に入ってみたら、ひとりで静かに映画を観たり、本を読んだり、ゲームに没頭したり、狭いながらも最適な空間でした」。
こんな遊び心あふれる使い方をみていると、Kさんが“自分らしく住まう”ということを、心から楽しんでいることがわかります。
吹き抜けと一体化したリビング。家族の気配がいつでも感じられる。
刻一刻と時間が経つにつれ、室内は幻想的な雰囲気に。
日が暮れたアトリウムは、まるでリゾートホテルのロビーを思わせる。
マネジメント力の高さが魅力
そんなKさんは、今回の住まいづくりを評して、「文句のつけようがない」といいます。
もともとはホームページでザウスのプロデュースシステムを見つけて、興味をもったということですが……。実はその裏にはこんな理由がありました。
「以前、まったく別の会社に家づくりをお願いしたことがあるのですが、スケジュール管理やコスト管理などがいい加減だったために、計画を取りやめたことがあるんです。
それで、同じ失敗を繰り返さないためにマネジメントに特化した会社を探して、ザウスに行き着いたんです。
そしたら、しっかりしたマネジメントに加えて、こんな素敵なデザインまでついてきた。嬉しい誤算でしたね(笑)」
竣工後も継続される定期点検等のアフターケアにも、好感をもっているというKさん。
明るい日差しが部屋いっぱいに降り注ぐ中で見せてくれた、満足そうな笑顔がとても印象的でした。
榎本康三
アルシプラン株式会社
敷地が旗竿形状なので、建物自体は道路からよく見えない。ならば、建物自体をデザインするのではなく、建物の配置をデザインしてみようと考えました。
近藤 君代
ザウス東京店
地元の工務店で住まいづくりを進めていらっしゃいましらが、その会社の進め方・提案に満足されずに、ザウスにいらっしゃいました。
ザウスに求めていたのは、家族内の意見の調整やスケジュールなどのマネージメント力でした。デザイン優先でいらっしゃる方が多い中、とても珍しいケースといえます。
和の風合いを数多く取り入れ、温かみのある雰囲気づくりにひと役買っている。
3階はプライベートルームなので、あえて壁を設けている。
休日は仕事を忘れて趣味に没頭する。Kさんの遊び心が活かされた「趣味の部屋」。

